タンゴと他のラテンダンス、例えばサルサやズーク、サンバとの間には、一見するとわかりにくいけれど重要な違いが存在します。それは、リズムという要素の扱い方にあります。
サルサやズーク、サンバといったダンスでは、ダンサーはリズムを強調することが一般的です。そのリズムはダンスの基礎となり、男女のパートナーはそれに合わせて動きます。これらのダンスでは、リズムを体に染み込ませることが、流れるような動きと無駄のない表現を生むための鍵となるのです。
しかし、タンゴの場合、このリズムの強調が見られません。たとえば、ミロンガやワルツではリズムに合わせる練習が一部存在しますが、タンゴのレッスンでは主に歩きの練習が行われます。その際、特に強調されるリズムという概念はありません。タンゴのリズムは、一緒に踊るパートナーと共に歩くリズムと同様で、特定のリズムに縛られることなく自由に表現できるのです。
タンゴにおけるこのリズムへの取り組み方は、ダンサーが音楽とダンスパートナーとの深い繋がりを形成し、一緒になって即興のダンスを創造する手助けをします。その結果、タンゴは他のラテンダンスとは異なる、独自の美しさと感情表現を生むことができます。
それが、リズムに重きを置かず、感情の表現とパートナーシップにより多くのスペースを割くことが可能になるタンゴが、唯一無二の芸術作品を生み出すのです。ダンサーが体験する喜びは、リズムを共有することからだけではなく、感情を共有し、パートナーと共に創造するダンスから生じます。
したがって、タンゴと他のラテンダンスの主要な違いは、リズムの扱いとそのダンス表現への影響にあります。それは、タンゴがリズムを重視しないことで、独自の表現力とパートナーシップを最大限に発揮し、観客に感動を与える能力があることを示しています。
*素晴らしい踊りはどのダンスもリズムが見えにくなるが、
列記としてリズムは存在し、そしてそのリズムは強力の踊るエネルギーを与えてくれる。
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