【No.20】感じるタンゴ!

ブエノスアイレス ニュース

このニュースも、20回を迎えることとなりました。
いつもお付き合い頂いている読者の方に感謝致します。

さて、最近のブエノスは、雨が多くなってきました。
まだ、暑い日が続いていますが、季節の変わり目が確実に近づいているように感じます。

感じるといえば、先日いつもとは違うタンゴを感じることができました。
今日はそのことをお話します。

いつもの私は、ミロンゲーロ(ブエノスのミロンガで踊りを楽しむ人のこと)として、ミロンガで女性を誘って踊っています。

もともと私がブエノスに移住した理由も、ブエノスアイレスのミロンガが好きで、ミロンゲーロとしてミロンガで「遊ぶ」ことでしたので、ある意味、夢が叶っているわけです。

こうして踊る場合、誘った女性のタンゴを感じて踊るのがとても楽しく、やみつきになります。

深いアブラッソ(抱擁)で踊ると相手の女性の息遣い、そして心臓の鼓動まで感じることができます。

こんな私ですが、稀に人前でタンゴを踊る機会に遭遇することがあります。
そして、今月17日に、その機会が、やってきました。会場は、”La Bohemia”というレストラン・バーで、観客は、うちにお泊まり頂いている日本人二人を除き、すべて地元のアルゼンチン人。

女性歌手2人とギターリスト2人、そしてダンサー1組(私と私のアルゼンチン人のタンゴパートナー)という出演者も、私以外はすべてアルゼンチン人ということで、東洋系の顔を持つ私が、観客の方にはどう映るのだろうかと思いながらステージに向かいました。

踊り始める前に「日本人ダンサー」と紹介されると場内はいつもの反応とは少し違った雰囲気に包まれました。

しかし演目が進んでいくうちにその雰囲気が、だんだんといつもの軽いラテン系のノリに変わって行くのが感じられました。
最後には、アンコールの拍手を頂き、気持ちよくワルツを踊らせていただきました。

ミロンガで踊るように観客ひとりひとりの心臓の鼓動までは、感じることができませんが、自分の踊りを見てくれた素直な印象が直接伝わってきて、それに乗せられて踊る自分がいるこの空間もまた、タンゴの魅力の一つだなと感じることができました。

「踊りの表現を通して観客の方々の反応を感じて踊る。」これも違った意味で「タンゴを感じる」ということなのだと改めて認識できた夜でした。

今回は、私事で恐縮ですが、ぜひ皆様にお伝えしたかったので、記事にしてみました。

 

 

ブエノスより