[No.60] ミロンガ・アバスト!

ブエノスアイレス・ニュース No.60                   2017年10月20日
ミロンガ・アバスト!

大学の後期期末試験まであと一ヶ月となり、レポートの提出期限が迫っている中、なんとか時間を作りこのニュースを書いています。

今回のお話も前回に引き続き、シーズン・オフ期間のミロンガを盛り上げようという企画についてご紹介させていただきます。ただ、少々辛口のご紹介となることをお許しください。

ちょうど一週間まえの土曜日(10月14日)のことですが、4人のミロンガのオーガナイザー(Carlos Galleg, La Milonguita, La milonga de los Zucca, Yira yira)が、集まって1つのスペシャルミロンガを開催するという企画があり、日本から来られたお友達と一緒に参加しました。ミロンガの名前は、”La Milonga del Abasto(アバストのミロンガ)”。アバスト地区は、かの有名なタンゴ歌手のカルロス・ガルデルが若い頃、この辺りにあった市場で働いていたという逸話が残っている場所です。今は市場の跡にショッピングセンターが建てられブランド品のお店やアミューズメント施設が立ち並んでいます。今回のミロンガの会場は、そのほぼ正面に位置する5つ星ホテル、その名も「ホテル・アバスト」。ここは、アジア大会の優勝者が、世界大会期間に滞在するホテルとしても知られています。ブエノス・アイレスのミロンガとしては、通常ホテルを会場とするミロンガは、あまり多くなく、主流は各国からの移民集会所、レストラン等々です。そこで、興味本位で日本からいらしていたお友達も誘い、出かけることにしたわけです。

 

スペシャルミロンガのチラシ

 

この日は、ちょうど我が家で新しいタンゴクラスをはじめたばかりで、クラスが終わるのを待って会場に向かいました。そのため21時からのオープンでしたが、到着したのは22時くらいになりました。ホテル一階のメインバンケットホールの入り口には、まだ入場を待つタンゴフリーク達が列を作っていました。入場料は、一人160ペソと場所のわりにリーズナブルで、さらにシャンパンのウェルカムドリンク付き、気の利いたサービスに気分は上々。(現在のブエノスアイレスのミロンガの入場料は、物価の高騰もあり130から150ペソが相場となっています。)シャンパングラスを片手に会場に足を踏み入れると、それが一変、フロアーは満杯状態で、自分の席に着くのが一苦労でした。そして、よく見るとテーブルのサイズが、やけに大きく、椅子もゆったりと座れる大きめのサイズ。これが仇となり、人が出入りできるスペースが取れなくなっていたのです。あたり一面テーブルと椅子の海といった様相で、来場者はなんとか自分の席に座ろうと必死になっていました。このテーブルと椅子達は、さらにその大きさによって踊るスペースを圧迫し、300人以上は入っていたと思いますが、半分くらいの人が踊るだけで、フロアーは既に芋洗い状態。しばらく座って様子を見ていると冷房が寒いくらいに効いていて肌を露出したドレスを着ている女性方は、コートを着てしまう始末。

 

 

この状況に、普段は気づきませんでしたが、通常のミロンガ会場というのは、うまく出来ているものだと感心してしまいました。テーブル、椅子共に小さめのサイズで来場者が踊るためにフロアーと席を往来できるようになっていて、さらにカベセオ(視線で女性を誘うテクニック)が届かない場合、席から移動できるスペースがあります。冷房の効きは、場所によりますが、女性が肌を露出したドレスでも寒くない程度のところが多いです。

さて、会場に戻るとしましょう!それでも同じテーブルになった女性や、近くのテーブルの知っている人を誘って踊っていると、ステージでは、オルケスタの生演奏が始まりました。するとこのオルケスタのバイオリンソロときたら音は外すわ、表現は幼稚、とてもプロの演奏とは思えない有様。みんな口々に「下手!」と言い出しました。でもよく聴くとピアノ、バンドネオンは上手で、歌手のエル・チノ・ラボルデさんも人気の歌手でとても上手なのです。バイオリンのソロを担当する人だけが、「どうして?」という演奏でした。同じテーブルになったオーストラリア・シドニーから来たという男性は、「数日前にオルケスタ・ティピカ・ピチューコの演奏を聴いたけど、とても上手だった。でもこのオルケスタはだめだね!」と言ったのです。私は心の中で笑ってしまいました。なぜならバンドネオン奏者にはどちらのオルケスタにも同じ人が入っていたからです。

 

 

 

途中で、踊りのデモが入り、オルケスタの演奏で踊りました。そのデモが終わると、なんと演奏は続いているのに、お客達が帰りはじめたのです。後には、テーブルと椅子の山、そしてオルケスタの演奏が虚しく響いていました。私たちは、演奏が終わるまでは残っていましたが、その後は早々に引き上げ、帰途に着きました。タクシーの中で「このミロンガ企画は、今回はじめてなので人が入ったけど、次は無理かも知れないね!」という意見で一致しました。ブエノスアイレスでもこんな事があるわけです。

ブエノスより

 

 

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