[No.58] タンゴは長寿の秘訣?!

週末のブエノスアイレスは、良い天気で、気温も穏やか、ようやく春といった感じだった。私は金曜日のミロンガとして、賑わっているオベリスコ・タンゴに顔をだした。いつも踊る女性と踊っていると「今日は、97歳のミロンゲーロが来ているのよ!」と教えてくれた。タンダ(ミロンガでの曲のかかり方。タンゴは4曲、ミロンガは3曲、ワルツは、3曲か4曲が1タンダ)の合間にオーガナイザーから紹介されたそのミロンゲーロ、名前はロベルトさん。17歳から踊り始め、その金曜日が誕生日で97歳になった。ということは、タンゴを踊って80年の強者。みんなの拍手に包まれながら、お誕生日ワルツ(こちらでは、お祝いの時には、ワルツを踊ることが多い。誕生日、そして結婚式。)をしっかりとした足取りで踊ってみせた。

日曜日には、ヘネラルパス(ブエノスアイレス市と地方との境を通る高速道路)の近くにある民家にお邪魔した。あるミロンゲーラのお誕生日パーティーでタンゴを踊るためで、一応仕事。そのミロンゲーラ、サラさんは、今年90歳。私は、仕事のパートナーとタンゴ2曲ミロンガ1曲を彼女にプレゼント。その合間に90歳の彼女とタンゴを1曲踊った。足腰のしっかりしていることに驚かされた。

一緒にタンゴを踊ったサラさん。90歳

 

たくさんのご家族に囲まれて幸せそうでした

 

十年位前から「タンゴセラピー」という言葉を耳にするようになったが、私はその詳細を未だに知らない。しかし、この週末に会った2人からは、その正当性を受け入れざるを得ない。タンゴは、正しく踊れば、足腰を丈夫にする。

以前テレビで見たことだが、「毎日30分歩く」ということは、この上なく健康によいと報じていた。私もそう思う。そして、タンゴを踊ると同じ(いやそれ以上かもしれない)効果が期待できるかもしれない。ただ、そこには「正しく踊る」という条件が付く。正しく踊るとは、体に過度の負担を掛けないということ。具体的には、筋肉ではなく骨で踊る。さらに関節を正しい方向に運動させるということ。この課題は、既に衰退期に入った自分の体を長く健康に保つために重要だと思う。週末の2人を見て、再認識させられた。

今回は、新聞のコラム風に書いてみました。

 

2017年9月19日 ブエノスより